基本に戻ろう!  短絡的アプローチは危険

基本があれば、工夫ができます。
基本があれば、学びが楽になります。
基本があれば、迷いがあったとき、戻る場所があります。
もちろん、ビジネスにも基本があります。

情報収集が実に簡単になった現在、
私たちを惑わす情報が氾濫しています。

どれを見ても実に魅力的、かつ一攫千金を約束するものばかりで、
食指を動かされます。

しかし、間違ったことをすれば、せっかくの実績も、
一夜にして失ってしまう危険もあります。

こういうときこそ、それらを識別、選別し、
自分の歩みを確実にするためには、
基本から見なおす必要がありそうです。

参考にビジネス経営における基本を見なおしてみましょう。

1. ビジネスは社会的活動

ビジネスは国民の税金で整備された
公共施設、社会環境、社会保証、法律規則の中で展開される活動です。

無人島での活動とは違い、
多くの恵まれた環境の中で、最低コストで活動できるのです。

だからこそ、その社会の一役割を担ったり、
社会に役立つ活動を展開したり、
より積極的に社会に貢献する活動を展開することが期待されています。

その社会的活動への評価により、
ビジネスへのサポート程度が決まっていき、
それにより成功度が決まってくることになります。

人々のサポートが大きければ大きいほど、
それに応じてお金も入ってくるのです。

小遣い稼ぎ、自己利益だけを考えた金儲けと、
ビジネス経営はまったく別次元のものになります。

また、公序良俗違反、人をだます行為など、
反社会行動はビジネスとはいえません。

一時的にだますことができても、
社会は決してそのまま放置しませんので、
ビジネスとしては先がないことになります。

2.ビジネスは一定期間の存続を前提とした活動

先の長い活動ですので、
それなりの体制、準備、覚悟をもって取り組む必要があります。

無責任な活動、間に合わせ的活動、その場しのぎの活動では、
先を生み出すことはできません。

3.ビジネスはお客なくしては成立しない活動

お客とは、リピート利用を前提とした相手で、
詐欺の対象にするような一回限りの相手ではありません。

どうやってそういう人を探し、
自分のビジネスのサポーターにしていくかがテーマです。

4.ビジネスは提供する商品やサービスが必要な活動

それら商品やサービスは実在することが前提で、
架空の存在であってはなりません。

いただく価格に見合う、
場合によっては価格以上の価値を有することが必要です。

また、現在の取り扱い商品、サービス以外、
常に次に売れる商品、サービスの開発が必要です。

ビジネスは、それら商品やサービスを
消費者や利用者目線で常にチェックし、
改善、改良を加えていく必要があります。
さもないと時間の経過に伴い、
すべては陳腐化してしまうからです。

5.ビジネスは信頼関係をベースに成り立つ活動

いかに信頼を築きあげるか、
また、それを損なわないようするか、
ビジネスはそういった視点から
自分のオペレーションを展開することが必要です。

信頼感こそお客固定化の動機になります。

6.ビジネスは競争を通じて成長を実現する活動

生き残る力育成は、
そういう気迫と活動があればこそ可能になります。

片手間な発想では生きていけません。
常に次の展開といった前進姿勢が必要です。

前進とは、従来にこだわらない、
従来を脱却した発想があってこそ可能になります。

7.ビジネスは過去から学び、記録から学び、それを前進への踏み台にする活動

常に記録をとり、公的に必要なことに対してはきちんと報告、
いざという場合に備え、
記録は一定期間保存、整備されておく必要があります。

今回は上記基本中、
多くのスモールビジネスが最も関心の高い
集客の基本を眺めてみましょう。

○集客とはお客を集めることではなく
お客が集まるようにする活動です。

ビジネスは競争社会で生き抜くため、
個性化、差別化、競争力が必要と言われますが、
具体的には、特徴のある商品やサービスを提供したり、
特徴のあるビジネス展開をすることにより、
トレンド店になったり、トップになったり、
繁盛店になることによりお客が集まってきます。

つまり、お客が集まりたい場所にする、
それが各ビジネスが取り組むテーマになります。

○スモールビジネスは資金的脆弱性がゆえに、
少しの出費で済むやり方に走ります。
そして、大きな無駄をすることになります。

レストランで資金繰りが苦しいからと、
卸から調達せず近くの店で少量ずつ現金買い、
確かに一回の出費は小さくて済みますが、
おかげで収益性の少ないビジネスに転落するケースと同じです。

この悲劇が、現在行われている、
見込み客を買うPay per Clickにも当てはまります。

少しの出費で集客できると思い込み、
究極とんでもない無駄な出費をすることになります。
儲かるのは大手検索会社だけです。
焦りは禁物です。

○新たな集客方法を求める大半の方に共通しているのは、
今現在の自分のビジネスの顧客リストが完成されていないこと、
また、そのリストを積極的に利用していないという事実です。

今を無視して将来は生まれません。
現状を見直し、もう一度自分のお客に対峙する必要があります。

彼らは何を期待して自分のビジネスを利用してくれているのか、
それを理解することなく他を探すようでは、
結局、新たなお客に対しても同じ過ちを犯すことになるはずです。

ビジネスは“何を提供するビジネス”かを決めます。
すると当然“誰を相手に活動していくか”が決まってきます。
その“誰を集める活動”が集客活動になります。

最近は、ネットの普及で、
自己アピールや人の名前を集めることが、
手軽にできるようになりました。

ソーシャルネットワークやSEOを利用することにより、
プロスペクトリストをPay per Clickで購入できるようになったため、
集客の意味を考えず、名前集めに励む人が多くなったようです。

だから、集客=より多くの見込み客獲得という発想になります。

それでよいのでしょうか。

見込み客とお客とはまったく異なる存在です。
お客とは、あなたのビジネスを利用してくれ、
その満足がゆえに再度戻ってきてくれる存在で、
その満足がゆえに他人にあなたのビジネスを紹介、推薦してくれる存在です。

つまり、集客とは、そういうお客をつくりあげる活動であると
認識する必要があります。

集客で重要なことは、大衆にアプローチし、
その中の誰かに買ってもらい、それで万歳と満足する活動ではなく、
自分のビジネスが相手にする人見つけ、
彼らに自分のビジネスを愛用してもらうための活動ですので、
自分のビジネスを利用してくれている目前の一人を
大切に扱う意識がなければなりません。

不特定多数相手ではなく、
“常に目前の一人”にどう対応するかが集客のテーマになります。

大衆を相手にしている大手小売業ですと、
数が相手ですので大々的に宣伝をうちます。

しかし、スモールビジネスは大衆を相手にしているのではなく、
特定のグループ、特定の地域を相手にしているので、
口コミで成り立っています。

つまり、大衆相手でないビジネスは口コミで成り立っており、
その口コミをスタートさせるにはどうしたらいいか、
それがスモールビジネスにおける集客活動テーマになります。

お金はいくら集めたかより、
それをどう活かせるか、
その結果どのような資産を形成できたかがテーマになりますが、
実は、集客活動にも同じことが言えます。

でも、リピーター、つまり、お客を獲得するためには、
まずは誰かを獲得しなければ、
だから、可能性のある見込み客を獲得する必要がある、
そう考えますか。
だから、Pay per Clickによる氏名獲得に興味がわきますか。

実は、見込み客を獲得する方法はいくらでもあります。
固定場所を確保すれば、誰かがやってきます。
身の周りの人にアプローチすれば、
誰かが利用してくれるようになります。

それではビジネスになるほどの人を確保できない、
そう飛躍するところに問題があります。

その一人の人を大切に扱えば、
リピートビジネスになり、口コミも始まるのです。

数が問題なのではなく、
質にこだわれば、そこから数の増加が始まるのです。

自分の対象としている人を大量確保したければ、
業界主催のトレードショーを利用することです。

1クリックで確保する氏名より、
より確率の高い見込み客収集が可能です。

1000名の漠然とした氏名より、
あなたのビジネス対象に最も近い1000名の氏名を獲得できます。

卸業者であれば、小売店の顧客名簿を利用させてもらうことで、
自社商品の顧客を確保することもできます。
Pay per Clickで得る無駄の多いリスト買いより、
もっと確実な顧客獲得になります。

無料セミナーを開催、それにより見込み客を集め、
そこから次のアプローチにより獲得する方法も効率的な集め方です。

現在のお客に紹介してもらうアプローチも有効な方法です。
カラオケ好きな人の周りにはカラオケ好きがたくさんいます。
ゴルフ好き、釣り好きの人の周りには同好の士がたくさんいます。
そういう人からの紹介を得ることによりお客を増やすことも
効率的なアプローチです。

要は、闇雲に見込み客の数を増やすことにこだわるより、
自分のビジネスが対象とする人を
1人でも多く獲得することが重要なのです。

1人は2人になり、100人は200人になるのです。
着実に彼らにベストな仕事で対応し、彼らを喜ばせれば、
数はどんどん増えていき、
お客がどんどん集まってくることになります。

次に、集まってきた人たちの期待を探り出し、
その期待に応える活動を展開するからこそ、
その増加に拍車がかかるのです。
こうして集客が軌道に乗り出すことになります。

基本に戻るとは、
自分がすべき必要なことが浮き彫りになるということです。
そして、その対策はアイデアの数ほど存在するのです。

その事実を忘れ、安易な方法だけに頼ってしまうと、
本末転倒な活動にのめりこみ、
無駄の多い展開に陥ってしまう危険があります。

まずは基本に忠実に、
そしてエキストラとしてPay per Clickを利用すればよいだけの話です。

お忘れなく。
見込み客がビジネスをくれるのではなく、
お客がビジネスをくれるのです。

最後にもう一度繰り返します。

集客とは、お客を集めることではなく、
お客が集まるようにする活動、
つまり、より多くの見込み客名を獲得することではなく、
一度でも利用してくれたお客をリピーターにする、
そのリピーターが口コミを開始したくなるようにする活動であり、
あなたのビジネスに人が集まリたくなるようにする活動だということを
肝に命じてください。

さあ、あなたは今現在のお客に対して、
いったいどういう姿勢で対応しているのでしょうか。

宝の山の上で貧乏暮らし、
そして、目はどこかに宝はないかとうろちょろ。
まずいですよ、あなた。

(メルマガ『アメリカ発!「スモールビジネス」成功のセオリー』2015年7月26日発行 Vol.784より)