あなたの人生観はどのようなものですか。

ものの見方はその人の持つ生き方で決まります。
生き方が安全志向であれば、
チャレンジを避ける傾向になり、
それなりに自己の行動を正当化します。

積極果敢に生きる人であれば、
すべてを自分の人生のための肥やし、糧にするため、
チャレンジ心が旺盛になります。

1回しかない人生、
だったら最高な生き方をしてみたい、
だからこれはと思うようなことに
どんどんチャレンジします。

あなたの生き方はどちらの生き方でしょうか。

多くの方は、他人の失敗を見て、
自分は他人とは違う、自分はそんなヘマはしない、
そう思うようです。

また、他人の成功を見て、
自分も他人と同じ、自分も成功できる、
そう根拠なく思い込んでしまうようです。

こう見ると、人間は皆、
自分に都合のいい見方をしたがることがわかります。

大半の人は、何も危険を犯さない安全志向の生き方を選択し、
その生き方が子孫に伝わっていきます。

でも、あなたはそのような生き方、考え方に
従う必要などないのです。

ビジネスマン、つまり経営者、そして起業家は、
まったく違う発想をします。

と言うより、違う発想だからこそビジネスに取り組め、
成功できるのです。

彼らは、自分は他人とは違う、
しかし、同じ人間だから同じ間違いを犯す、
だったら、自分なりにどう事態を乗り切っていくか、
どう準備するか、それを考えればいい、
そう割り切っています。

自分なりのやり方、自分に向いたやり方、
そういう視点から事態を眺めます。
どうやって問題や障害を乗り越えていくか、
それにテーマを絞る見方を持っています。

ビジネスマンは他人の失敗を見て、
自分も他人と同じ、
では同じ間違いを犯さないためにはどう対応したらいいか、
どういう準備をすべきか、そう考えます。

人間が謙虚ということではなく、
そういう発想が不可欠だからです。

他人の成功に対しては、彼と自分は違う、
だから自分が成功するためにはどう対応すべきか、
どういう準備をすべきか、と考えます。

自分を大切に思うからこそ、
取り組み姿勢が真剣です。

ビジネスマンは、感情、理想、夢を具体的行動に移せます。
具体的な形づくりにいそしみます。
感情と理性が調和を保ちます。

もちろん、ビジネスマンも感情の動物ですが、
それをコントロールすることの重要性を認識し、
それを実践するだけの冷静さを持っています。

人間は、感情、直感だけで突っ走ってしまうと、
簡単に危険に巻き込まれてしまいます。

直感を重視する人がいますが、
その直感が実際の体験の積み重ねから生まれるものならば、
直感が理想の結果を導きだすこともあるかもしれません。

しかし、そういう根拠を持たない直感は自分の希望であり、
無謀以外の何ものでもありません。
ビジネスマンはそのあたりをしっかり認識しています。

裸一貫からの成功という例があると、
その事実にエキサイトするだけではビジネスマンにはなれません。

自分は成功者とは違う人間だ、
だったら自分の場合はどう対応したらいいか、
どういう準備をすべきか、それを考えます。

自分は技術者で経営者ではないから、
ビジネスをどう展開したらいいかわからない、ではなく、
技術者として自分のビジネスを展開するにはどう対応したらいいか、
どう準備したらいいか、それを考えるのがビジネスマンです。

判断や決断はよく間違えるものです。
それを知っているからこそ、
ビジネスマンは常に判断、決断へのフォローを行い、
その判断を正しい判断、決断にする意思と行動があります。

ビジネスマンは夢や希望の重要性を認識しています。
それが、前進、飛躍へのきっかけになることがわかっているからです。
だから、それを具体化する計画づくりに時間をかけます。

資金がない、お金がない、
だったらそういう状態から抜け出すためにはどう対応したらいいか、
どう準備すべきか、それを考えるのがビジネスマンです。

資金さえあれば、お金さえあれば、では、
ビジネスマンにはなれません。

事実、人は皆違います。
また置かれた状況、環境、時代、地域も異なりますので、
Aがそういうやり方で成功したという例があっても、
そのままのやり方がBに通用するわけではありません。

アイデアとして参考になるだけというのが事実です。
そのアイデアをいかに自分向けに調整できるか、
それが成功へのポイントになります。

他人との違いを認めるとは、
同時に自分の持ち味を把握するということになります。

技術系の人がセールスの専門家の真似をすることには無理があります。
そうではなく、技術者としての発想、見方を活かしたセールスが、
相手を魅了し、説得力を生み出します。

その強みを自分なりに認識することが、
チャンスを生み出す原点になります。

資金力のない人が、資金量が豊富な人と同じやり方をすれば、
早晩悲劇を招きます。
ない人はない者なりのやり方を駆使するべきです。

最近、ある女性が起業のため
クラウドファンディングで資金調達を図りましたがうまくいかず、
そこで、彼女は資金集めのため、
自分の身体にあなたの名前を刺青します、
一つの名前は10ドルという形で、
刺青希望者を募集した例がありました。

その是非は別にして、
その真剣さが伝わり、資金調達を果たしたようです。

似た例として、昨年、大学の女学生の25%が、
年長者に援助交際の形で(sugar daddy)
学費スポンサーになってもらっているという
衝撃的調査が発表されました。

ことの良し悪しは別にして、
彼女たちなりに考えた行動のようです。

学費がウエイトレス程度のアルバイトでは
稼ぎ出せないほど高騰しているからです。

昔、あるガラスの教会は、運営資金に苦しんでいたとき、
各ガラスに寄付者の名前を入れることを思いつき、
膨大な寄付集めに成功し、
それが教会をますます有名にしました。
知恵は絞るものです。

私はよく、起業するための資金が必要なのですが、
どなたか資金を出してくれる人はいませんか、
資金を融通してくれる場所はありませんか、という相談を受けます。

借りたら返さなければいけませんが、
その返すあての計画はと聞くと、
そういうものは持っていません。

返さなくてもいいお金ということなら、
投資ということになりますが、
その投資家に十分見返りを出せるだけの
儲かる投資であることを強調する
ビジネスプランをお持ちですかと確かめると
それもありません。

それでは、早い話、お金をくださいということですね、というと
うなずきます。

しかし、もしその程度なら、
たとえお金があってもビジネスプランがないわけですから、
やれば100%失敗しますよ、
そして、あとで金を貸してくれた人から逃げまくるか、
投資した人から逃げて暮らすことになるから、
いっそのこと起業しないほうがいいですよ、というと
嫌な顔をします。
こういう意識ではビジネスマンにはなれません。

起業したらどう展開していくか、
その結果どういう収益をあげていくかが不明では、
起業しても失敗が必然で、
それではお金の無駄使い、
しかも他人の善意を損ね、自分の信用を損ねるわけですから、
うまくいきませんでした、すみませんでは済まなくなる問題です。

このレベルの発想では、
起業もビジネス経営も失敗することが目に見えています。

面白いのは、そういう発想をする人の大半は、
自分は他人とは違う、自分がやればうまくいくと、
自分なりに思い込んでいることです。

歌がうまいだけでは歌手にはなれません。
歌手になれたからといって、
すべてが成功できるわけでもありません。

まずは取り組みに対して情熱があり、
次に、自分なりにうまくいかせる
具体的作戦、行動があってこそ成功できるのです。

また、他人の失敗、成功に対して、
自分なりの学び、自分なりのやり方を工夫できる人が、
同じ間違いを犯すことなく、モノマネにより失敗することなく、
自分なりに成功を達成できることになります。

しょせん人は自分なりの考え方のフォロワーです。
駄目と思えばやはり駄目な結果しかもたらしません。

他人は駄目でも自分だったらできる、
その勢いが根拠と力のない空元気だと、
トラブルは時間の問題です。

しかし、他人が成功したが、
この程度なら自分でも当然成功できる、という自信が、
それなりの作戦と準備を伴ったものであれば成功できます。

もし、そういったものを無視した思い込みだけならば、
悲劇は時間の問題になります。

あなたは、自分は次の成功者になれる、
そう確信するだけの根拠をお持ちでしょうか。

人は皆違います。
心から、自分は駄目な人間、そう思っている人などいません。

自分だってやればできる、
そう感じている人が多いのではないでしょうか。

しかし、その逆に、
自分には不可能なことなどないと盲信し、
準備がなく油断するようだと、
結果は出ないことになります。

はっきりしていることは、
人には皆何か素晴らしいところがあるという事実です。

しかし、残念ながら、
自分ではそのよさに気づかない人が多いものです。

もしかしたら、あなたにも
素晴らしいものがあるのではありませんか。

それ活かせばどんな成功も可能、
そのような力を持っているのではないでしょうか。

鏡に向かってご自分の顔をしげしげ眺めてみてください。
その人物は今、新たな人生を切り開きたい、
そういった顔をしていませんか。

その顔が、自信と誇りと達成感でいっぱい、
そう見える日が1日も早く来ることをお祈りいたします。

(メルマガ『アメリカ発!「スモールビジネス」成功のセオリー』2015年2月2日発行 Vol.761より)