ビジネスは社会的活動です。

だから社会的有益性、貢献意識のない活動は、
長い目から見ると市場から受け入れられなくなってしまうことになります。

ビジネスは利潤追求活動です。
でも、これは決して金の亡者になることを意味するものではありません。

多くの方が結論を端折り、おかげでビジネスを誤解し、
また、多くのビジネスマン自身がビジネスとは金儲けと誤解して、
おかげで短期間にビジネス経営に失敗することになります。

ビジネスは金儲けしなければいけません。
では、ビジネスは金儲けとは、いったいどういうことでしょうか。

私たちは資本主義社会に生きています。
個人や企業が、自分の持つ資本、
すなわち、資金、情報、知識、才能、才覚、
自分に与えられたツールを駆使して、
資産を構築していく活動を支持する社会に生きています。

利潤追及行為とは資産構築活動です。
その力の発揮が、誰にでも認められている社会に生きているのです。

資産とはお金であり、他の形の財産であり、
ビジネスそのものの価値を意味します。
自らの価値の増大活動がビジネス経営ということになります。

私たちは自由競争主義の社会に生きています。
国の干渉、監視を受けず、
独自に企業活動を展開することが
許されている社会でのビジネス活動です。

しかし、自由競争社会は皆ががんばる社会ですので、
自分のビジネスが競争に勝ち続けるにはどうしたらいいか、
それが経営のテーマになります。

自由とは、国家権力や誰かの指示、管理で動くのではなく、
法律の範囲であれば、自らの意思で
自分なりの力を思いきって発揮させることが
認められているということを意味します。

誰に遠慮する必要もなく、
行動する自由が認められているのです。

もし、うまくいかなくても、
いくらでも敗者復活戦ができるのです。

本人があきらめない限り、
いくらでもやり直しできる社会なのです。

自由競争の原則は、競争をあきらめた瞬間、
敗者になるということです。

負けたくなければ、
あきらめてはいけないということになります。

ビジネスは、市場や消費者の支持、サポートなくしては
存続不可能です。

ビジネス競争における勝敗は、
市場の支持具合で決まってきます。

ねずみ講、ピラミッドビジネスで、一攫千金を手にする人がいますが、
システム自体は長続きしても、
プレイヤーは常に入れ替わっているのが現実です。
これでは一時の金儲けにすぎず、ビジネスといえません。

これに比べ、ビジネス経営とは、
プレイヤーとして存続していくことがテーマになります。

つまり、市場のニーズや欲望、期待、満足を無視しては、
ビジネスの存続、繁栄はありえないのです。

負けるとは、市場の評価が他社に対するものより
低いという結果にしかすぎません。

ビジネスは社会的存在であり、
社会に責任を持った活動を展開し、
社会の一役割を担う存在、
社会に貢献できる存在でなければいけません。
個人のエゴの実現のために応援する人はおりません。

また、公害や危険を撒き散らすビジネス活動は
反発を受けます。

社会が支持するかどうかとは、
提供するサービスに対する対価獲得能力で、
利潤追及活動とはこのことを指します。

その社会有益性が大きければ大きいほど、
社会の支持は大きくなり、
社会の一部として認知され、支持され、
おかげで存続も成長も可能になります。
そして、それに伴い利潤も拡大していくことになります。

利潤は、成長力です。
従業員へのベターな待遇提供、
ベターな機器やシステムの導入、
ビジネス展開環境の改善、競争力の増大には、
余剰のお金、つまり利潤が不可欠です。

借り入れに頼らない経営体質が、競争力、成長力になります。
利潤は将来を生み出す力になります。

その利潤を再投資し、
それにより社会的存在価値を高めていく活動が、
ビジネス展開力です。

早い話、再投資のない活動は
ビジネス活動とは言えなくなります。

ビジネスに成功するとは、以上のファクターを踏まえ、
各試練を乗り切ってこそ享受できる結果になります。

ビジネスの成功は自然に訪れるのではなく、
成功を意識し、常にその実現方法を模索し、
チャレンジし続けるからこそ訪れます。

繰り返しますが
ビジネスは競争原理で成り立っています。

消費者のニーズや欲望との戦いです。
競争他社との戦いです。
ビジネス環境との戦いです。
規則や制度との戦いです。
スモールビジネスを踏みつぶす大手との戦いです。
経営者に襲いかかる諸々の誘惑との戦いです。
収益性との戦いです。

諸々の戦いを通じて一つだけはっきりしていることは、
負けるわけにはいかないということです。

負けが込むわけにはいきません。
負けが込めば消滅してしまうのです。

だから、勝たなければいけません。
しかも、勝つだけではなく、
収益性、革新力、推進力を活性化し、盤石な地盤を築くほか、
時代を見極める力を推進していく必要があります。
それが競争に勝つの内容になります。

そして、勝つとは、自己の価値、すなわち資産の形成、増大を意味し、
それが資本主義社会の約束になります。

ビジネスの今後の動きとしては、
1. 経済的利益追及姿勢よりも社会的利益追及姿勢が問われる時代
2. ビジネスの国際化、ビジネス展開先の国際化に伴い、
ビジネス自体が私的存在から公的存在視される時代
3. 地域に根ざした展開が必要

個々のビジネス展開に関してまとめると
3つのポイントが浮き上がってきます。

1. 自分の持ち味をフルに発揮
2. 個性化、差別化により競争力を生み出す
3. 社会有益性、貢献を旨とした経営の実践

今回はこの3つのうち最も重要な3番について考えてみましょう。

自営業にしても起業にしても、スタートすることは簡単です。
ただし、将来的金銭的な安定、生活の確保がテーマになると、
急に不安が出てきて、おかげで足踏みする人が多くなります。

やりたいことはやりたいが、生活が不安ということになり、
結果として、独立や起業を見送ることになるようです。

金銭的不安が、やりたいこと、成し遂げたいこと、
手に入れたいものの価値を上回ると、そのようなことになります。

しかし、もしそのような独立、起業意欲が
金銭的不安をしのいだり、無視できるようだと、
独立、起業は実行しやすくなります。

そこで問われるのが、自営、起業における夢の質になります。
個人的満足レベル、金銭的欲望に駆られた夢なのか、
それとも自己満足や自己利益を超越した夢なのか、
それが起爆力に差をつけ、
その後の展開エネルギーを左右することになり、
その取り組む姿勢、情熱、リーダーシップが
成功を引き寄せる力になります。

では、そのような社会的活動、どちらかと言えば無料奉仕的な仕事で
生活できるのでしょうか。

ご心配なく。
そういう人々を応援する体制があります。
NPOシステムです。
共感する人々、享受者などからの寄付で成り立っています。

しかし、それ以上に重要なことは、
燃えて自分の信念や情熱から仕事する人々は、
金儲けを超えた迫力があり、
他人の寄付などあてにしなくても、
人々とお金を引き寄せるだけの力が生まれてくるという事実です。

つまり、社会的役割を担えるだけの仕事には
必ず市場が反応する、
それが現実だということを忘れないでください。

自分もやりたかったことだが、自分はできなかった、
昔の自分の姿を見ている気がする、
ぜひ成功してもらいたい、
そういう思いを持った人々が
いつの間にかサポートしてくれるのが現実です。

あてにする必要はありません。
すべきことに全力で取り組んでいると、
そうなってしまうのがこの世の中です。

そんなにうまくいく?
必ずうまくいきます、
もしあなたが本当に全力で取り組んだならば。
生き証人の私は確信を持ってそう断言できます。

ビジネスとは「公の場所」で、「公を相手」に、
「公を自由に駆使」しながら、
自分の思いを実現していく「社会的存在としての活動」で、
そこに自分を生かしていく活動であり
自己実現のチャンスなのです。

公に受け入れられるだけの仕事をしているものだけが、
公のサポートを最大限受けることが可能になるのです。

さて、独立しようか迷っているあなた。
起業しようかどうか迷っているあなた。
うまくいかず四苦八苦しているあなた。
今はたまたまうまくいっているあなた。

もしかした現在の問題、及び、
気がつかないうちに生まれている問題は、
問題解決の課題の置き方によって
解決できる問題かもしれませんよ。

世界はあなたの出番を待っている、
それは大げさでしょうか。

少なくともあなたの家族、身近な人々にとっては
事実ではないでしょうか。

(メルマガ『アメリカ発!「スモールビジネス」成功のセオリー』2015年1月5日発行 Vol.757より)