あなたは自分の言葉を具体的に目視化できる形にしていますか
言葉はビジュアライズ(目視できる形に)させましょう。
言葉をはっきり目視できるとき、
あなたの取り組み姿勢は力を得ることになります。
なぜなら、自分で確認できるおかげで思いが深まり、
志向していることを身体全体で捉えることができるからです。
山と言うと山のイメージが、
川と言うと川のイメージが生まれます。
赤と言えば赤い色を見ることができます。
食べたいものをイメージすると、食欲が湧いてくるものです。
温かいと言えば、それを感じることができるようになります。
そのように言葉を具体的な形で見て、感じることができるとき、
私たちは自らの言葉にのめり込み、コミットできるようになります。
だから、目視化できる形にすることが重要です。
これは、言葉の受け手ばかりか言葉を発する人にとって必要であり、
言葉の意思をより正確に伝える伝達方法になります。
たとえば、渡米したいと口にする場合、
具体的にアメリカに行きたい理由を目視化することができれば、
渡米熱に加速がつき、
自然と渡米実現のための工夫や努力ができるものです。
たとえば、遠距離恋愛の場合、
時間の経過とともに熱が覚めやすいのが通常ですが、
愛する人の写真を持ち歩いていると、
離れていても写真を見るたびその愛情がますます深まるものです。
だから、頻繁に連絡をするようになります。
つまり、言葉だけではなく、その言葉を具体的な形にする、
目視化できる形にすることにより、
言葉に感情が移入し、思いが募り、
おかげで本気度が強まっていくということになります。
もし、ビジネス経営において、この事実を採用できるならば、
ビジネス取り組み姿勢にも、
熱意と真剣度が増すのではないでしょうか。
もはや言いっ放しでは済まなくなるからです。
さて、経営というと、どんな形を目視できますか。
成長というと、どんな形を目視できますか。
私たちはあまり考えることなく言葉を駆使します。
言葉を発しても、その言葉を具体的な形にしないため、
漠然と行動しがちです。
具体的な形を持たない意識での行動のおかげで、
方向性や具体的完成図を持たないままの行動になり、
熱い思いを持てない、持続できないため、行動に力が入らず、
結果として言葉を実行できなくなってしまうようです。
たとえば、ゴール設定という言葉がなかなか結果を発生できないのは、
数字や言葉が具体的な形を持たないからです。
経営とは、ビジネスのバランスシートを黒字にすることで、
成長とは、ビジネスの資産をアップすることで、
ビジネスの規模をアップすることが成長ではありません。
そういう感覚でバランスシートの項目と数字を目視できれば、
自然に行動にも方向性と問題意識を持って取り組むことが可能になります。
言葉を具体的な形にできるとは、
このようにその行動をガイドする力があるということになります。
あなたは今、どのような具体的な形を心に抱いて
ビジネスに取り組んでいるのでしょうか。
多くの方の失敗は、言葉だけで、
その言葉を具体的な形にできないまま行動してしまうことです。
だから、言葉への思いが薄れ、結果として力を発揮できず、
達成を難しくしてしまうようです。
今回は、言葉を具体的な形にする方法について考えてみましょう。
ポイントは、
1. 率先垂範により自らが日々範を示す
2. コミット、つまり計画達成を意識、意欲させる具体的な形を用意する
3. 具体的な形は目標達成実現を身近なテーマに感じさせ、
皆の意欲を高揚させ、協力体制を促進させる
とりわけ1番が重要ですので、
1番について具体的に見ていきましょう。
1. 率先垂範により自らが日々範を示す
目視化のベストな方法は、経営者が日々日常行動において
模範となる行動を自ら示すことです。
時間厳守、整理整頓、約束の厳守、顧客との対応、金銭の取り扱い、
計画書の作成、報告書の提出、クレーム処理、リーダーシップのあり方など、
それがなんであれ、社員に知ってもらいたいことは
口で酸っぱく言うのではなく、日常の行動でそれを示すことです。
それができなくて、口で言うことと実際の行動が伴っていなければ、
リーダーシップを発揮することはできません。
このことに関して、渡米当時、私には懐かしい思い出があります。
ビジネスで知り合ったある老経営者から、
成功した人の生き方を学んだことがあります。
それは、成功者は誰に気兼ねすることなく
自分なりの自由な生き方を楽しめる、というものでした。
彼本人はミリオネア、
会社は世界相手の大きなビジネスを展開している会社、
にもかかわらず彼の会社のビルは実に古ぼけたビル、
彼の住まいも普通の古い家、乗っている車は古い車、
着ているもの、身につけているものに特別なものはなし。
態度は気さく。で、彼から、
成功者とは特別な型にはまる必要などなく、
誰に気兼ねすることなく、
自分らしく生きることができるのだ、
そう感じたものです。
日本では成功者というと、それなりの型があり、
それを踏襲する人が多いものですが
(家、車、メンバーシップ、着るもの、身につけるものなど)、
そういう誰かの目を気にした行動にとらわれず、
自分の好むまま、それができるのは
本人が自分は成功者、そういう認識があり、
それを楽しんでいるから、
私はその事実を見て感動したものです。
成功者とはどういう人か、
それを目視化してくれたおかげで、
私は大きな悟りを得ました。
何にも束縛されず、誰にも遠慮せず、自由奔放自分の思うがまま。
成功するとそれが可能になるのです。
言葉ではなく実際を目撃したおかげでわかったことでした。
その他目視化の例としては、
○経営では数字の羅列よりグラフ化することが
ポイントを把握させやすくします。
○最近のセールス活動では口の説明より、動画を駆使し、
音と画像を駆使しますが、それが生産性を高めるようです。
やはり、言葉を目視化できる形に変換すると、
アピール力に違いが出るようです。
○一定のプロジェクトに取り組む場合、
その進行状況を目視できる形にすると、
やる気も生まれ、かつ、協力者も増えるようです。
○指示を出す場合、指示を目視できる形にすると、
理解度を高め、協力度を高めることができます。
最後に、夏の売上低迷打開のため、
6月~8月いっぱい売上10%アップ目標と、
その実現のための具体的目標目視化について考えてみましょう。
(1)昨年の実績から今年の達成目標数値をはじき出します。
(2)アプローチとしては、売れ筋商品に勢いをつけること、
次期売れ筋書品の育成を目的にセット販売を推進することにします。
と同時に、社内の一体感促進を促すことを視野に入れます。
(3)キャンペーンに市場向け名前をつけます。
(4)期待結果は、売上アップと大量仕入れによるコスト削減、
及び収益性のアップです。
(5)準備として、在庫体制の確保、プロモーション用チラシと
目視化する販促小道具の用意です。
セット販売に語呂のいい命名をします。
社内にキャンペーンを予告し、
目標達成祝賀昼食会を9月○日開催を約束。
これで皆に全社キャンペーンを徹底させます。
(6)小道具はオフィスの目立つ場所に設置し、
皆が常に意識するようにします。
社外の人が小道具について質門したとき、
当社は目下○○キャンペーン中ですと応えられるようにしておきます。
(7)達成状況を定期的に社内にアナウンスします。
(8)このように会社としての決意を表明し、
セールスには具体的促進道具を渡し、
社内にはキャンペーンを意識化させる小道具を用意、
あらかじめ目標達成時には何をするかをアナウンスすることにより
全社員を巻き込んだ雰囲気作りを行い、
その彼らに定期的に途中経過を知らせることにより
テーマを全員の関心事に高め、
それによりキャンペーンに勢いをつけ
目標達成を確実化させることになります。
もう一度繰り返します。
言葉に形を、それは言いっ放しにするのではなく、
確実に言葉の内容を実現するためです。
徹底するためです。
言葉を見て、感じる、
そういう工夫をすることにより
言葉は生きた伝達手段になるのです。
そういう意志でコミュニケーションに努めてください。
では具体的にはどうやって?
視覚と聴覚、身体を通じて会得してもらう工夫をすることです。
その工夫をするからこそ、
あなたの言葉が結果を導くことができるのです。
あなたはそういうことを考えたことがあるでしょうか。
そういう工夫に取り組んだことがあるでしょうか。
目視化すると結果がまったく異なってくる、
ぜひお忘れなく。
(メルマガ『アメリカ発!「スモールビジネス」成功のセオリー』2015年6月8日発行 Vol.777より)