多くの成功者が成功の法則を教えてくれます。
動画で本人の口から直に聞くことができる時代、
しかも無料でだれでもが聞ける時代です。
昔ではとても考えられなかった素晴らしい時代になったものです。

面白いことに、10人が10人とも同じ法則で成功ということではなく、
それぞれがそれぞれのやり方で成功していることがわかります。

どの成功者の法則も、その人柄が現れており、
この人はこういう姿勢で成功したのだな、と納得させるもので、
すべてが勉強になります。

しかも、彼らは過去の人間ではなく、
数千億円レベルのビジネスを達成し、
今でも大きな会社を経営していて、
さらなるチャレンジに取り組んでおり、
その偉大さに頭が下がります。

彼らに共通していることは、
若くして起業し、20代にして数億円のお金を手にしていることで、
その時点で引退したり金に溺れて人生に失敗したりせず、
そこから次のチャレンジに挑み、それに勝ち、
さらなるチャレンジを繰り返し、数千億円ビジネスを構築していて、
今なおチャレンジをし続けるエネルギーと行動力に感嘆します。
もはやはお金は彼らの眼中にはないことがわかります。

では、私たちはそういうありがたい情報を
どういかしているでしょうか。

成功者の時代環境と経歴と、聞き手のそれとは違っており、
成功者の話をそのまま鵜呑みにすることには無理があります。
なぜなら人は皆違い、条件や環境も皆違うからです。

また、成功者の成功への法則は、
終着駅についてからの過去を振り返ってのまとめであり、
成功へ驀進している最中の考え方、動きを
スキップしている場合が多いものです。

そして、実のところ、私たちが求めている指針は、
その奮闘の最中におけるガイドラインになります。

結局は、それぞれの成功法則の中から、
聞き手が自ら最も自分に合ったやり方、考え方を見出し、
それを自分なりに生かしていくより手はなさそうです。

そういう事情を背景に、
目下悪戦苦闘しているスモールビジネスが立ち上がり、
成長、成功していくための具体的行動指針としては、
1. 自分の商品が他の類似商品より「はるかに優れている」こと、
そして、それは消費者目線でつくられている商品・サービスだからこそ
2.「勝負どころを押さえ、そこで一気に勝負」する姿勢を実践するから
3.「お客を組織化し、動員できる体制作り」に励んでいるから
4. それを実行できる「有能な人材を集め、彼らに力を発揮させる」ことを
実践しているから、になり、

その間の心構えとしては
5. どんな逆境に直面しても「決してあきらめない」
「解決策はいくらでもあると落ち着いて対応」
7. 結果が出るまで「働く、働く、働く」
8. 自分が「誇れる仕事ぶり」を実践すること
9.「社会的に価値のある仕事をする」
というありきたりのあり方を、いかに確実に実行していくかになります。

まったく当たり前のことは、インパクトが少ないため、
無視されがちです。

多くの人は、きっと何か特別な方法があるはずだと思い込み、
その方法を模索します。

おかげで多くの人は、
それで成功をスローダウンさせてしまうことになります。
その間の行動が衰えるからです。

立ち上げ、また、逆境に置かれた場合、
私たちはその現実を乗り切る必要があります。

そこで求められる考え方は、
漠然としたラララ~の応援ではなく、
具体的指針です。

それを最も必要とされるそのとき、
具体的に駆使して行動、
すると事態を乗り越えることができるようになります。

例えば、資金不足が生じたとき、
貸してくれる人を探し回り、見つからず落胆するよりも、
資金がなくても事態を乗り越えるためにはどうしたらいいか、
そういう思考で取り組むことが必要です。

多くの方は資金が解決策と勘違いし、
あてもなく資金を追い求め、
その間ビジネス取り組みが疎かになり、
そのうちビジネスはますます悪化、と同時に、
資金が調達できない現実にやる気が失せ、
ビジネスの崩壊をもたらします。
考え方、やり方を間違えるとそうなります。

売上が上がらない、もしくは落ち込んだというとき、
集客というテーマに取り組むより、
現在のお客をどう動かすかに取り組んだほうが
事態解決になります。

多くの方は、売上がダウンすると、集客に意識が奪われ、
足元を見つめる姿勢を失います。

多くの出費をしても、現実に動かないビジネスには、
それだけの魅力がないわけですから、
新たな客を呼び集めることには無理があり、
そういう自明の理由に目をつぶりがちになります。

なぜうまくいかないのか、そこを見つめ直し、それに手を打つ、
そういった発想が一番求められるときです。

強力な競争相手がどんどん自分の市場に食い込んできたとき、
負けるものかという気迫よりも、
自分の守るべき分野とそうでない分野を明確にし、
守るべき分野、勝てる分野に力を集中することで
勝利をもたらすことができ、
その勝利が全体のビジネス展開に力を生み出します。

窮地に立ったとき、そういう発想があればこそ、
事態を乗りきれるのです。

恐れてもいけない、侮ってもいけない、
すべきことは経営者としての判断、
そういうものを駆使したからこそ成功を生み出したのです。

つまり、逆境に直面したら、具体的行動指針をもって行動する、
そして、その具体的行動指針とは、対相手、対事態向け発想ではなく、
自分のビジネスのためにはどうすることがベストか、
それを模索する姿勢の実践になります。

成功者の成功談では、彼らの奮闘中の
そういった事態への対応が述べられていることは少なく、
ちょっと物足りないところです。

今回は、スモールビジネス成功の具体的やり方以外、
そのやり方をサポートする具体的考え方について考えてみましょう。

例えば、
家賃が急激にアップ、このままではとてもビジネスを継続できない。

商品コストが急激にアップ、利幅が大幅に圧縮され、
このままでは値上げするか、商品取り扱いを中止するより手はない。

最低賃金がアップ、それに伴い全体の給料をアップせざるをえず、
今のままではそれをカバーするだけの利益が出せない。

思いがけない機器の故障により、生産がストップ、
(または、近隣での大工事のため交通が遮断され)
ビジネスが大幅にダウンした、

港湾ストのため、商品入荷が大幅に遅れ、
事態が混乱している。

有力社員が一斉に辞め、
おかげでビジネスが動かなくなった。

大手取引先が倒産、おかげで大きな売掛金の回収が不能になり、
資金繰りが止まった。

強力な競争相手が登場し、
お客がどんどん奪われだした。

売れ筋商品が売れなくなりだし、
それに変わる商品がない。

銀行が資金引き上げを開始し、
それに応じるとビジネスは崩壊するよリほかない。

期待して取り扱いを開始した商品がトラブル続き、
どうやら不良品のよう。

目の前にショッピングセンターができ、
客の流れがすべて道の向こう側になってしまった。

いやはや、スモールビジネスは毎日このような問題に直面します。
頭を抱えているだけでは、
その間にビジネスは崩壊してしまいます。

なんとか解決し、事態を改善、
それどころか、それをきっかけに
大きなチャンスをつくりだしていかなければいけません。

いったいどうやって、
それが私たちの悩みです。
そういうときにどう対応すべきかのヒントがあれば助かりますが、
そういう事態に陥ったとき、
成功者はどうやって事態を乗りきっていったかを
具体的に述べたものはほとんどありません。

ヒントがないからといって、何もしないわけにはいきませんから、
それぞれが自分なりの知恵を絞って事態を乗り切り、
その結果、成功するより手はありません。
いわゆる成功者もそれをしたからこそ今があるはずです。

しかし、知恵が生まれてくるためには、
それなりに知恵をもたらす内なる力が必要です。

空想では力はうまれません。
体験、実践があればこそ、その知恵も質が高まるのです。

そして、その力は、何が何でもこの事態を乗り切る、
そういう思いをもたらすだけのバックグラウンドが必要です。

バックグラウンドは過去の実績、体験、研鑽の積み重ねから得られた、
もしくは確信された信条で、
そのように腰のすわった信条があればこそ、
いちいち右往左往することがなくなります。

私のビジネスのバックボーンについて述べ、
参考にしてもらいたいと思います。

一口に言えば、すべては必ずなんとかなるもの、
という理解からスタートします。
だから、何とかなるように何かをすることになります。

従来それが真実だったからそう思っております。
だから、いちいち右往左往せず、自分がすべきことに集中し、
コツコツ邁進することを重視しております。

そのときのガイドラインになる発想は、
ビジネスは社会的価値が認められれば、存続もし、成長もする、
それを決めるのは社会、市場、顧客、
自分のすべきことは自分が信じるところを信じ、
志の完結に向かい、ただひたすらその道を突っ走るのみ、
他人に迷惑をかけず、嘘をつかず、自分に恥じない仕事をする、
それだけです。
すると、すべて何とかなってしまうものです。

それで事態を解決できればそれもよし、
事態が改善できなくても、
自分なりに全力を尽くしたという思いがあり、
後悔することがありません。

そして、不思議なことに、
ガイドラインに沿った行動をとっている限り、
運から見放されることはありませんでした。

ものごとには、うまくいくときもうまくいかないときもあります。
もし何もしなければ、逆境があなたを潰すことが明白です。

むざむざと逆境にあなたの大事なビジネスを潰されるのを何もせず見守るか、
それとも、すべきことをする、
なぜならあなたのビジネスはあなたの夢であり信条だから、
そういう姿勢で正面から逆境に取り組むか、
それはあなたの決断次第です。

さて、あなた、この事態を乗り切れば、
あなたは将来成功談を語ることができます。
後から続く人、困っている人の知恵になるのです。

あなたが逆境を引き起こした従来のやり方を踏襲する限り、
新しい将来、解決策は生まれません。

従来のあり方を変える、業界を変える、世界を変える、
そういう意識、視点に根ざした考え方で
事態を眺めることができるならば、
解決策はいくらでも生まれてくるはずです。

あなたの成功談、それを話すチャンスがきたとき、
今の逆境をあなたがどう乗り切ったかは
聞き手にとってとても興味のある話。

ですから、そういう聞き手のためにも
逆境をチャンスに変えてみてください。

逆境があったからこそ成功できた、
これが私の話です。
そういうあなたの話をぜひおうかがいしたいですね。

(メルマガ『アメリカ発!「スモールビジネス」成功のセオリー』2015年9月21日発行 Vol.791より)